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奈良・新大宮の「農と発酵Zen」でサケストーリーは突然に!
往年の名曲で「ラブストーリーは突然に」という歌がありましたけど、
奈良・新大宮の酒屋・角打ち「農と発酵Zen」との出会いも、
わたしにとっては予想もしない唐突なものでした。
言うなれば、「サケストーリーは奈良Zenに」と表現したくなるほど。
この巡り合わせをどんなふうに語れば、より多くの方に伝わるのか悩むところですが、
つたないながらもやっていくことにしましょう。
ある日、市内の商店街や情緒たっぷりのきたまち界隈を散策した後、
桜並木で有名な佐保川をぶらぶら歩いていました。
きっと春は満開の桜で美しいだろうな、と柄にもなく思いを馳せていると、
何だか喉が渇いてきました。
うろうろしているうちに、ふいに酒屋兼角打ちバーの新しいお店が目の前に姿を現しました。
扉を開けると、視界に飛び込んできたのは、クラフトビールの数々。
シンプルなカウンターに座り、笑顔の素敵な感じのいい店主のおすすめ「奥大和ビール」を注文し、
早速、ぐびっと傾けると、確かな飲みごたえ、さらに、
ハーブとスパイスの香りがふわっと口の中に広がっていきます。
ご機嫌になったわたしは、「10種のチーズ盛り合わせ」をおつまみに、
気になっていた日本酒リストの中から、何となく「純米吟醸 櫛羅」という銘柄を合わせました。
奈良県御所市・千代酒造、酒蔵さんたちが自ら育てた山田錦と葛城山の地下水で仕込んでいる。
そう説明する店主がいかにもうれしそう。
銘酒が完成に至るプロセスを雄弁な語り口で聴いていると、ほんのわずかな一滴にも、
その街の風土や作り手さんの想いまでもしみ込んでいる―
そのことに気づかされ、ハッとなりました。
まさに、一杯のグラスから、お酒にまつわる豊穣なストーリーが立ちのぼる瞬間でした。
ちょっと一杯のつもりが、熱心なトークを肴に、ますます進んでしまう新大宮の「農と発酵Zen」。
今度は桜の季節に訪れて、帰りがけにほろ酔い気分で、佐保川沿いをフラフラと歩いてみたいと思います。
[店名] 農と発酵Zen
[住所] 〒630-8115 奈良県奈良市大宮町7丁目2-15 101
[アクセス] 近鉄奈良線「新大宮駅」1番出口より徒歩7分
[営業時間] 10:00~20:30
[定休日] 月曜日
[TEL] 0742-93-6611
[ホームぺージ] https://www.noutohakkouzen.com/